労働問題解決の過程を時系列で並べたほうがわかりやすいかと思い、まずは「労働問題解決の過程」で労働問題解決の過程の全体を見ていただきます。また、その過程の中で当事務所が「労働相談」から順にどのような流れで労働問題解決の業務を進めるのかを簡単に説明させていただきます。
次に「労働相談」「同行・付き添い」「あっせん・調停」「労働審判」「通常訴訟(第1審)」と分けて、どのように手続が進行するのか、手続の様々な場面でどのようなことに気を付ければいいのか、それぞれの手続及び手続外で当事務所ができること、当事務所ができるそれぞれの業務の進め方・内容・費用について、詳しく説明させていただきます。
それぞれの項目によくあるご質問も載せさせていただきましたので、そちらもご覧ください。
このページでは、「労働相談」「同行・付き添い」「あっせん・調停」について説明させていただきます。
「労働審判」「通常訴訟(第1審)」については、次の「7.勝つための基礎知識3」で説明させていただきますので、ご覧ください。
労働問題解決の過程
労働問題解決の過程の全体が上の図表となります。
当事務所がお客様の労働問題の解決のためにお手伝いできる主なことは、上の図表の中の「労働相談」、「同行・付き添い」、ADR実施機関において行われる「あっせん・調停」における代理人、裁判所において行われる「労働審判・通常訴訟」における補佐人、それぞれの業務となります。
労働問題解決の過程を、当事務所に依頼していただいた場合における、労働相談から始まり依頼が終了するまでの大まかな業務の流れに沿って、以下時系列で簡単に説明させていただきます。
同行・付き添いの業務について、この「労働問題解決の過程」の項目では説明していませんが、詳しくは後述してありますので、ご覧ください。
労働相談
- いただいたお問い合わせに返信させていただきまして、労働相談の日時を決めさせていただきます。
- お客様にとって最良の解決・解決方法は何か考えご提案させていただき、当事務所が選択肢になるようでしたら、当事務所へ依頼していただけた場合について、見積書を作成してご提案させていただきます。
- 当事務所への依頼を希望していただけましたら、依頼内容についての契約書を作成しますので、契約書の内容をよく確認していただき、ご納得いただけましたら契約を交わします。
あっせん・調停の前
※あっせん・調停を経ずに労働審判・通常訴訟の補佐人業務を受任することももちろん可能です。
- メール・電話・FAX・封書・面談等で打ち合わせします。
- あっせん・調停を労働局等に申し立てます。
- 相手方にあっせん・調停開始の通知がなされます。
- ※お客様のご希望しだいになりますが、相手方との直接交渉での解決が望めるようでしたら、この時点から和解を試みることもできます。
- 調整の上、期日が決まりましたら、原則面談で一度打ち合わせします。
あっせん・調停の期日
- 待ち合わせ場所で合流し、あっせん・調停が開催される場所に向かいます。
- 望ましい結果が得られるよう代理します。
あっせん・調停の後
- あっせん・調停の結果にご納得いただけた場合は、業務終了となります。
あっせん・調停の結果にご納得いただけなかった場合・相手方が不参加だった場合は、以下の選択肢から選んでいただくこととなります。
- 業務終了とする。
- 労働審判・通常訴訟での解決を目指し、当事務所に補佐人業務を依頼する。
労働審判・通常訴訟の前
- 補佐人業務の範囲内で、代理人となった弁護士を含め、打ち合わせ等をします。
労働審判・通常訴訟の期日
- 補佐人業務の範囲内で、望ましい結果が得られるよう陳述します。
労働審判・通常訴訟の後
- 業務終了となります(労働審判を選択していた場合は、その後通常訴訟に移行する場合があります)。
労働相談
労働相談の流れ
労働相談の流れは以下の表となります。
- 労働相談の日時を決めさせていただきます。
- お話を伺い、こちらからもご質問させていただきます。
- お客様にとって最良の解決・解決方法は何か考え、ご提案させていただきます。
- 当事務所へ依頼していただけた場合について、見積書を作成してご提案させていただきます。
- 当事務所への依頼を希望していただけましたら、依頼内容についての契約書を作成します。
- 契約書の内容をよく確認していただき、ご納得いただけましたら契約を交わします。
- 今後の流れ等説明させていただき、連絡方法等確認させていただきます。
- ※あっせん・調停を経ずに労働審判・通常訴訟の補佐人業務を受任することももちろん可能です。
- ※「角が立たない」解決を目指してアドバイスさせていただくこともできます。
1.いただいたお問い合わせに返信させていただきまして、労働相談の日時を決めさせていただきます。お客様のご希望とこちらの都合が合うところで、なるべく早い日時で決めさせていただきます。土日祝日や夜間でも予定が入っていなければ対応可能です。
※返信させていただいても届いていない場合があります。携帯、スマートフォンのメールアドレスでPCメールアドレスからのメールを拒否する設定となっている場合は、ドメイン指定受信の解除、または『@officehoshi.com』の指定受信登録をお願いいたします。
労働相談当日の冒頭に相談料をいただきます(2時間4,000円)。出張相談の場合は冒頭に相談料と交通費・日当をいただきます。労働相談の時間が延長となった場合は、労働相談終了時に延長料金(1時間あたり2,000円)をいただきます。なお、労働相談の内容にご納得いただけなかった場合も、相談料・交通費・日当は返還できません。
2.お客様から詳しくお話を伺わせていただきます。「詳しく話してください」と言われても何を何から説明すればよいのか、相談の場で落ち着いて順序良く話すというのは、けっこう難しいですので、事前に紙などに概要をまとめて書いてきていただけるとスムーズに相談が進むかと思います。
書いてきていただける場合は、以下のような項目立ての箇条書きで書いてもらうと書きやすいかなと思います。わかる範囲書ける範囲でいいです。
- ご自分のお名前・住所・連絡先(相談に来られた方のお名前・住所・連絡先)
- 相手方(使用者・会社)の名前・住所・連絡先
- 請求したいこと(例:復職したい、残業代を払ってほしい、慰謝料を払ってほしい)
- 請求したいことの原因(例:解雇されました、残業代が払われていません、パワハラされました)
- 証拠となりそうなものの有無(例:解雇通知書、タイムカード・給料明細書、録音)
- 入社時から今までの、ご相談に来られた労働問題に関係ありそうな出来事・ことがらを時系列で(多少長くなってもいいですので、5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)を記載してなるべくわかりやすく書いてきていただけると、とてもありがたいです)
- 今の時点でご自分で考えていらっしゃること(どこで誰にどのような解決を図ってもらいたいのか等)
- 特に詳しく聞きたいこと(例:不当解雇に該当しそうなのか、未払い残業代がありそうなのか、このような行為はパワハラに該当しそうなのか)
上の表で書かせていただいたことは、どのような労働問題の相談に来られたお客様にも、おおむね共通してお伺いする・ご質問させていただく内容となります。
3.お客様の労働問題を法的に分析して、それぞれの解決方法を選んだ場合のメリット・デメリットをお伝えした上で、おすすめできる解決方法をご提案させていただきます。
4.お客様にとって最良の解決・解決方法を選択する際に当事務所が選択肢になるようでしたら、当事務所へ依頼していただけた場合について、見積書を作成してご提案させていただきます。当事務所への依頼を無理に迫ったりはしませんので、ご安心ください。
5.「このようなことは契約内なのか契約外なのか」「このようなこともやってくれないか」等、ご質問・ご確認ください。できることはなるべく対応いたします。
6.契約を交わし受任させていただきますと、その後の相談・打ち合わせ等に関しては依頼いただいた業務が終わるまで相談・打ち合わせの料金は不要です(出張が必要になる場合は交通費・日当だけいただきます)。
7.今後の流れ等説明させていただき、連絡方法等確認させていただきます。お客様もこちらも都合に問題ないようでしたら、そのままあっせん・調停前の打ち合わせに入る場合もあります。依頼いただいた業務について大まかな流れ・スケジュールを説明させていただきます。
業務を進めていく上で、お客様に質問させていただくこと・確認させていただくことがあります。連絡が取りづらいとなかなか業務が進みませんので、ご協力をお願いします。
8.※事件によっては、あっせん・調停での解決が見込み薄であったり、向いていなかったり、そもそも受け付けてもらえない可能性が高い類型だったりしますので、あっせん・調停を経ずに労働審判・通常訴訟で解決を図ることをご提案させていただくこともあります。
当事務所では補佐人として労働審判・通常訴訟においてもお客様の労働問題の解決のお手伝いをできます。詳しくは次の「7.勝つための基礎知識3」で「補佐人はどのような制度なのか」「補佐人業務の流れ」「補佐人業務を依頼するメリット」「補佐人業務にかかる費用」について説明させていただきますのでご覧ください。
9.※労働問題の態様やお客様のご希望によっては、何らかの手続での解決を図るより、その他のいわゆる「角が立たない」柔軟な解決を目指したほうがよい場合もあります。
例えば「少しセクハラっぽいことを一度されたんですが、今後何とかうまくかわしたり止めさせたりする方法はありますか。」ですとか「残業代が支給されないので残業したくないのだが、周りの同僚が残業しているので自分だけ定時で帰りづらい、何とかならないか。」でしょうか。
「訴えたりまでは今のところ考えられない。会社は辞めたくないし居づらくなるのもいやだ、穏便に何とか解決できないか。」といった場合等はけっこうあると思います。
そのような場合でも、適法な範囲内で現実的にどのような手立てがあるかアドバイスさせていただくことができます。
その他、何か金銭を求めたり争ったりする気はない場合、例えば、会社が辞めさせてくれない場合などですね。
「辞めたら損害賠償を請求する」「退職届は受け取らない」「代わりの人間を見つけてこないと辞めさせない」などといって引き留めてくるケースなどありますが、適法な範囲内で現実的にどのように退職できるかアドバイスさせていただくことができます。
労働相談にかかる時間・費用
時間 | 金額(税抜) |
---|---|
2時間 | 4,000円 |
以降1時間ごと | 2,000円 |
出張相談の交通費・日当 | 往復に必要な時間x2,000円 |
労働相談では、お客様のお話をしっかりとお伺いし、お客様が資料等お持ちでしたら見させていただき、こちらからご質問をさせていただき、お客様にとって最良の解決・解決方法は何か考え、ご提案させていただきますので、30分等の短い時間では不可能です。30分ですとお客様のお話をお伺いしているだけで過ぎてしまうこともあります。
当事務所では、労働相談の最低限の時間を2時間として、あまり時間を気にせずに落ち着いて相談できるようにしています。また、延長1時間となってもいいように3時間分は相談時間として時間を確保しています。
出張相談は交通費・日当をいただければ原則遠方でもお伺いできます。
出張相談の交通費・日当における必要時間につきましては、車ですと高速道路を使わない場合、電車ですと普通料金で乗れる電車での場合で計算させていただきます。車で伺うか電車で伺うかは当方が決めさせていただきますので、ご了承ください。おおよその目安としては1時間あたり2,000円いただければ可能な限り全国どこでも伺います。
交通費・日当が10,000円を超える場合は事前に銀行振込をお願いすることもあります。
出張相談ご希望の方は、お問い合わせの返信時に交通費・日当の金額をお伝えしますので、お問い合わせ時に相談を希望する場所の住所を忘れずにご記入ご連絡してください。
労働相談に関するよくあるご質問
A.メール・電話・FAX・郵便物での相談はお断りさせていただいています。適切な回答をするためには、メール・電話・FAX・郵便物では内容を把握するのに限界があり、対面での相談が必要であると考えておりますので、ご了承ください。
A.本人が同意しているのであれば、家族・友人の方等に同席していただいても大丈夫です。
ただし、人数が多過ぎて設備面や話が混乱する等の支障をきたすようでしたら制限させていただく場合もあります。
A.原則本人との面談としておりますが、本人がどうしても来られないような事情がある場合は大丈夫です。ただし、ご依頼をいただく場合には委任契約を結ぶため本人とお会いする必要があります。
A.お急ぎであることをお伝えください。できる限り対応します。
A.時間外でも対応できる場合もありますので、ご相談ください。
A.交通費・日当は発生しますが、なるべく安価で多少遠方でもお伺いしたいと思っていますので、ご相談ください。
交通費・日当は車ですと高速道路を使わない場合、電車ですと普通料金で乗れる電車での場合で計算させていただきます。車で伺うか電車で伺うかは当方が決めさせていただきますので、ご了承ください。おおよその目安としては1時間あたり2,000円いただければ可能な限り全国どこでも伺います。宿泊が必要となる場合は1泊につき10,000円いただきます。
到着まで片道2時間以上かかる場合ですと、事前に銀行振込をお願いすることがあります。
例1.京都駅・敦賀駅・静岡駅・伊賀駅での労働相談(これぐらいの距離でしたら全然大丈夫です):電車で片道3時間ちょっとかかりますので、往復7時間として交通費・日当は14,000円となります(相談料は別です)。
例2.松本駅・高山駅・姫路駅・小田原駅での労働相談(宿泊無しですとこれくらいまでの距離が限界です):電車で片道5時間ちょっとかかりますので、往復11時間として交通費・日当は22,000円となります(相談料は別です)。
A.紹介等は必要ありません。お気軽にお問い合わせください。
A.予約制ですので、事前にお問い合わせフォーム・電話でご予約ください。
A.相談のみお受けすることも可能です。相談したからといって何か依頼しなければいけないということはありません。
A.労働・社会保険の法令・制度に関すること、職場・職業生活に関すること、人事労務管理に関すること、等の内容でしたらおおむね大丈夫です。
こちらが相談を受けられないような内容の相談でしたら、お問い合わせいただいた時点でその旨お伝えします。
人生相談・恋愛相談等は基本お受けしていませんが、例えば、職業人生を今後どうしていこうかですとか職場での恋愛はどのようなことに気をつければいいか等の内容でしたらお受けできます。
A.他士業の独占業務に該当する場合。具体的に例えると、職場で発生した問題であっても「給料からの税金の控除額がおかしいのではないか」「同僚の異性と浮気してしまって配偶者と離婚問題になっている」といった類の相談は、前者は税理士、後者は弁護士の独占業務ですので相談をお受けできません。
ただし、「給料明細書に載っている数字がおかしく感じる」といった相談でしたら税金部分以外の箇所はお答えできますし、「離婚問題で年金分割の話や社会保険の手続きの話が出たがよくわからない」といった相談でしたら年金分割の話や社会保険の手続きについてはお答えできます。
判断が難しいような場合は対応可能かどうかお問い合わせください。
A.相談のみの費用でしたら、税別で、使用者(会社・団体)の方は1時間8,000円・延長1時間ごとに4,000円、使用者(会社・団体)以外の方は2時間4,000円・延長1時間ごとに2,000円です。交通費・日当が必要な場合はお伝えします。
その他の業務の依頼については、見積書を確認していただきわかりやすく説明させていただきますので、その上で依頼なさるかどうかを判断してください。
詳しくは各業務のページで費用を記載していますので、お手数ですが確認してください。
A.なるべく早めにキャンセルされる旨をお電話にて連絡してください。キャンセル料はかかりません。
A.どのような事が起こったのかどのような現状なのかといったお客様の事情は、できれば時系列で「5w1h(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように」をわかりやすく書いてお持ちいただくと相談がスムーズに進みます。
あとは相談の内容に関係する資料、認印、相談費用をお持ちください。
A.守秘義務がありますので、相談者・依頼者の情報を法令に基づく場合を除き本人の許可なく第三者に伝えることはありません。
A.スーツではなく普段着でお伺いすることも可能ですし、ご自宅や会社以外の場所で相談を実施することも可能です。
お客様がよろしければ、例えばご自宅や会社から離れた喫茶店やカラオケBOX等でも可能です。お問い合わせの際にご相談ください。
A.ありませんので付近の民間駐車場をご利用ください。知多半田駅周辺にいくつかあります。
A.託児施設等はありませんが、同席していただくのであれば大丈夫です。
A.取り扱っていません。お支払いは現金のみとなります。
A.費用はその場で一括でお支払いいただいています。
同行・付き添い
この業務はどのような時に利用・活用していただける業務かというと、例えば下の表のような時です。
- 労働基準監督署・ハローワーク等に行きたいが、不安なのでついてきてほしい。
- 会社に私物等を取りに行かなければいけないが、不安なのでついてきてほしい。
- 会社で上司から○○について面談・説明されるが、不安なのでついてきてほしい。
一人では不安、言いくるめられたりしないか不安、意地悪なことを言われたりしそうで不安、役所の窓口でちゃんと話せるか不安等の時に利用・活用してください。
実際の流れとしては下の表のようになります。
- 役所等以外(会社等)での付き添いに関しては、事前にお客様から先方に、付き添い者が同行する旨をお伝えしていただいて許可をとってください。
- 事前に決めさせていただいた時間・場所(喫茶店等)で待ち合わせて合流します。
- 同行・付き添いについての下の表の料金(1)をいただきます。
- 打ち合わせ等をして、現地に同行します。
- 必要な間は始まりから終わりまで、付き添いします。
- ※下の表の(2)の料金が発生するようでしたら、この時点でいただきます。
- 現地で解散します。
同行・付き添いでできること・できないこと
あっせん・調停業務を依頼していただいている間においては、お客様を代理して相手方(会社)と交渉することができます。
労働・社会保険関係の役所での付き添いに関しては、必要があれば発言します。
代理権が無い状態(使えない状態)の時には、基本付き添っているだけで発言はしません(先方の許可があればします)。
同行・付き添いにかかる費用
現地までの必要時間に応じてかかる費用
現地までの必要時間 | 金額(税抜) |
---|---|
片道2時間未満 | 10,000円 |
片道2時間以上 | 10,000円+2時間を超えた時間x2,000円 |
現地までの必要時間については、車ですと高速道路を使わない場合、電車ですと普通料金で乗れる電車での場合で計算させていただきます。車で伺うか電車で伺うかは当方が決めさせていただきますので、ご了承ください。おおよその目安としては1時間あたり2,000円いただければ可能な限りどこでも伺います。
待ち合わせ場所まで片道2時間以上かかる場合ですと、事前に銀行振込をお願いすることがあります。
現地での滞在時間に応じてかかる費用
現地での滞在時間 | 金額(税抜) |
---|---|
2時間未満 | 無料 |
2時間以上 | 2時間を超えた時間x2,000円 |
通常の用件ですと、2時間以内でほとんど終わると思いますが、2時間を超えるようでしたら、日当をいただきます。
同行・付き添いに関するよくあるご質問
A.できません。
A.ご自分の飲食代のみご負担いただければ大丈夫です。
A.原則お断りさせていただいています。
A.原則お断りさせていただいています。
A.費用はその場で一括でお支払いいただいています。
あっせん・調停
あっせん・調停の申し立てから審理前までの流れは以下の図のようになります。
以下あっせん・調停の手続について、「あっせん・調停の前」「あっせん・調停の期日」「あっせん・調停の後」に分けて、どのような流れで進行するのか、それぞれの過程でどのようなことが行われるか、どのようなことに気をつけるのか等説明させていただきます。
あっせん・調停の前
- メール・電話・FAX・封書・面談等で打ち合わせします。
- あっせん・調停を労働局等に申し立てます。
- 相手方にあっせん・調停開始の通知がなされます。
- ※この時点から和解を試みることもできます。
- 調整の上、期日が決まりましたら、原則面談で一度打ち合わせします。
1.何をどのような理由で請求するのか、どのような事実を主張するのか、どのような事実を立証するのか、証拠は何をどのように集めるのか、周辺事情はどうなのか、相手方の予想される反応・動きはどうか等々申し立てる前に確認すること・考えること・決めなければならないこと等は多いです。
お客様にご質問させていただくこと・ご確認していただくことが多いので、メール・電話・FAX・封書等でご連絡させてもらいます。必要な場合は面談での打ち合わせをお願いすることもあります。
2.申立書・陳述書・その他証拠書類等の作成が済みしだい申し立てを行います。事件・打ち合わせの状況等にもよりますが、依頼をいただいてから早くて10日、遅くて20日前後で行います。
3.申し立てが受け付けられますと、おおむね1週間以内に相手方にあっせん・調停開始の通知がなされます。申立書等が送付され、あっせん・調停に応じるかどうかの照会がなされます。
相手方があっせん・調停に応じない旨の回答をした場合はあっせん・調停手続は打ち切られます。相手方があっせん・調停に応じる旨の回答をした場合は期日の調整がなされます(原則申し立てから40日以内に期日が調整されます)。
4.お客様のご希望しだいになりますが、相手方との直接交渉での解決が望めるようでしたら、この時点から和解を試みることもできます。相手方と直接交渉できますが、直接交渉しなければいけないということではありません。また、事件の性質・内容・相手方等によって向き不向きもあります。お客様のご希望にもよりますが、直接交渉での和解を試みるかどうかは慎重に判断して行います。
また、相手方から直接交渉での和解を持ちかけられることもありますので、事前にそのような場合についての対応を確認・検討しておきます。
5.主にあっせん・調停の期日について、確認等打ち合わせします。あっせん・調停期日の待ち合わせ場所・時間・持参するもの等も確認します(本人への聞き取りがあります。代理人がいても本人出席が望ましいですので、よろしくお願いします)。
あっせん・調停の期日
- あっせん・調停が開催される場所に向かいます。
- 聞き取りが行われます。
- あっせん・調停案が提示されます。
- 和解したとき・和解の見込みが無くなったとき、あっせん・調停は終了します。
1.あっせん・調停開始に十分に間に合うよう時間に余裕を持って待ち合わせします。必要であればあっせん・調停開始前に少し打ち合わせの時間を取ることも可能です。
期日1回にかかる時間はおよそ3~4時間程度です。
2.あっせん・調停委員、あっせん員により当事者双方(本人・代理人・証人)の言い分・主張について聞き取りが行われます。事前にどのような事について聞き取りされるのか検討・準備しておく必要があります。重要な点としては、相手方がどのような答弁書・証拠書類を提出してきたのかはこちら側ではわからないという点です。どのような答弁書・証拠書類を提出してきたのか、当日にどのように主張してくるのか、予測・準備しておく必要があります。
お客様が落ち着いて聞き取り等に対処できるようにサポートもいたしますのでご安心ください。
当事者はそれぞれ控室にいて、あっせん・調停委員、あっせん員がそれぞれの部屋に聞き取りにくるといったような形で手続が進行しますので、相手方と顔を合わせる心配はありません。
証拠等多くて審理に時間がかかったりするような場合だったり、もう少し聞き取り・協議すれば和解が見込めそうであるような場合ですと、2回目の期日が設定され、1回目の期日で話をまとめず終了されるときもあります。
3.あっせん・調停委員、あっせん員が協議・打ち合わせ等をし、当事者双方に歩み寄り・説得が試みられ、あっせん・調停案が提示されます。合意を形成して解決を図るというあっせん・調停の性質上、100%満額請求どおりの条件で和解することは難しいです。ただし、納得できない和解案を無理に受け入れる必要は全くありません。
どのような条件なら和解できるのかといったことを事前に検討しておく必要があります。
4.合意が成立し和解したときにあっせん・調停は終了されます。また、和解が成立する見込みがなくなったとき(その他に取り下げ、当事者からの手続終了の求め)にもあっせん・調停は終了されます(あっせん・調停の打ち切り)。
「あっせんが打ち切られた場合において、あっせんの申請をした者がその旨の通知を受けた日から三十日以内にあっせんの目的となった請求について訴えを提起したときは、時効の中断に関しては、あっせんの申請の時に、訴えの提起があったものとみな」され、あっせん・調停の申請に時効を中断した効力が与えられます。
あっせん・調停の後
- あっせん・調停の結果にご納得いただけた場合は、業務終了となります。
1.報酬金をお支払いいただき、お預かりしていた資料等をお返しいたします。当事務所で作成した書類・資料等もお渡しします。書類・資料等のお返し・お渡しは原則郵送で行います。
あっせん・調停の結果にご納得いただけなかった場合・相手方が不参加だった場合は、以下の選択肢から選んでいただくこととなります。
- 業務終了とする。
- 労働審判・通常訴訟での解決を目指し、当事務所に補佐人業務を依頼する。
1.この場合は、この時点でお預かりしていた資料等はお返しします。当事務所で作成した書類・資料等もお渡しします。書類・資料等のお返し・お渡しは原則郵送で行います。
2.お客様は当事務所に補佐人業務を依頼する際に、労働審判・通常訴訟における代理人業務を弁護士に受任してもらってください。お預かりしていた資料等は、一度この時点でお返しします。
当事務所では補佐人として労働審判・通常訴訟においてもお客様の労働問題の解決のお手伝いをできます。補佐人業務につきましては、次の「7.勝つための基礎知識3」で「補佐人はどのような制度で何ができるのか」「補佐人業務の流れ」「補佐人業務を依頼するメリット」「補佐人業務にかかる費用」について説明させていただきますので、ご覧ください。
あっせん・調停にかかる費用
あっせん・調停 | 金額(税抜) |
---|---|
着手金 | 請求金額の5%(最高100,000円、最低50,000円) |
報酬金(地位確認請求以外) | 金銭利益の15% |
報酬金(地位確認請求) | 金銭利益の15%+200,000円 |
交通費・日当 | 往復に必要な時間x2,000円 |
金額は一人当たりの金額となります。
着手金は業務遂行のためにいただく金銭です。結果の如何にかかわらず、返還できません。報酬金は金銭利益が有った場合にいただきます(地位確認請求においては、職場復帰できた場合は金銭利益に加えて200,000円いただきます)。
交通費・日当は車ですと高速道路を使わない場合、電車ですと普通料金で乗れる電車での場合で計算させていただきます。車で向かうか電車で向かうかは当方が決めさせていただきますので、ご了承ください。おおよその目安としては移動1時間あたり2,000円いただければ可能な限り全国どこでも対応可能です。宿泊が必要となる場合は1泊につき10,000円いただきます。なるべく低額で向かえる形でご提案させていただきます。
交通費・日当につきましては、当日まで、もしくは当日にいただきます。
あっせん・調停の代理人に関するよくあるご質問
A.はい。ただし、交通費・日当・宿泊費をいただきます。交通費・日当について、目安として車だと高速道路を使わない場合・電車だと普通料金で乗車する場合で計算して移動1時間あたり2,000円です。宿泊が必要となる場合は1泊につき10,000円です。原則全国どこでも対応可能です。なるべく低額で向かえる形でご提案させていただきます。
交通費・日当につきましては、当日まで、もしくは当日にいただきます。
A.まとまっていなくても、大丈夫です。相談させていただく中で、お客様のかかえている労働問題がどのようなものなのか・どこの誰にどのような業務を依頼するとどのような解決の方向性になるのか等お伝えご提案させていただきます。お客様の考えがまとまるように、ゆっくりわかりやすくお話しますので、安心してご利用ください。
A.大丈夫です。あっせん・調停について説明・ご提案させていただいても、依頼を強制するようなことは全くありません。
A.大丈夫です。すでに他のところに依頼しているけど、「あっせん・調停については説明してくれなかったので聞きたい」「業務の進め方・人柄等不安になってきたので再考したい」「念のため他の人にも聞いてみたい」等思われましたら、ぜひご利用ください。当事務所への依頼に切り替えるよう迫ったりはしませんので、ご安心ください。
A.できません。当事者である方からの申し出によります。家族・相続人等も同様に申し立てできません。
A.確たる証拠があると有利に手続を進めやすくはなりますが、裁判所で行う手続のように厳格に事実認定されたりするわけではありませんので、証拠が無ければダメということはありません。
証拠とまではいえないけど、あることがらについて、おそらくそうであろうという方向につながるものなどを揃えることで補える部分もあります。
ご相談させていただいている間に、お客様自身は証拠となると思っていなかったものが、実は証拠となるものだったということもよくありますので、しっかりお話を聞かせていただいて証拠となりそうなものを探していきます。
A.公正・中立な立場で解決に努めていく機関ですので、労働者の立場でも使用者の立場でもありません。
A.あっせん・調停に関わる人間には、法律で定められた「守秘義務」があり、職務に関して知り得た秘密を漏らすことはありません。代理人となる士業にも守秘義務がありますので、安心してご利用ください。
お名前や事案が一切特定されないように一般化した上で、統計資料やサイトに掲載されることはあります。
A.労働者と使用者の間で具体的な労働条件その他労働関係に関する事項について個別労働関係紛争が生じていることが前提となります。政治的な要求や当事者と無関係な他の労使間の問題、労働者同士の問題などは、あっせん・調停の対象とはなりません。労働審判・通常訴訟で係争中である又は審判・確定判決が出されている等の他制度で争っている・争った事件も対象となりません。
A.労働局・労働委員会・社労士会のあっせんには特にいついつまでの事件に限るといったことはありません。ただ均等局の調停の案内(H30.8)を見ると「措置があってから1年以内」と記載されています。あまり期間が空いているようだと、受け付けてもらえない可能性はあります。
A.大丈夫です。事業主は、あっせん・調停を申請したことを理由として、当該労働者に対して解雇その他(配置転換、降格、減給等)不利益な取扱いをしてはならないとなっています。また、あっせん・調停の手続の間に発言したり証拠を提出したこと等により解雇その他(配置転換、降格、減給等)不利益な取扱いをすることも当然にしてはならないとなっています。
A.大丈夫です。正社員に限るといったようなことはありません。
A.大丈夫です。
A.当事者お互いの譲歩による合意によって、紛争の解決を目指しますので、そのような判断はされません。
A.中立な立場で労使紛争の解決を援助する機関ですので、法律違反の有無の判断をしたりその違反についての指導はされません。
A.事件の内容にもよりますが、初回でおおよそ3~4時間くらいです。
A.労働局によるあっせん・調停は原則都道府県労働局の所在地で行われます。愛知県ですと名古屋城の南の労働局本庁舎において行われます(最寄り駅:地下鉄名城線市役所駅)。
労働委員会によるあっせんは原則都道府県労働委員会の所在地で行われます。愛知県ですと愛知県庁西庁舎において行われます(最寄り駅:地下鉄名城線市役所駅)。
社労士会によるあっせんは原則都道府県社労士会館内で行われます。愛知県ですと名鉄神宮前駅東口にあります。社労士会労働紛争解決センター愛知では、原則として毎週水曜日と毎月第2土曜日の午前10時から午後8時までの希望する時間にあっせんを行っています(12月29日~1月4日及び祝日を除く)。
A.代理人を選任してある場合でも、紛争・(事件)の実情の説明と主張について聞き取り調査がされますので出席してください。
A.当事者お互いの譲歩による合意によって、紛争の解決を目指しますので、そもそも「勝った負けた」という判決等が出るわけではありません。
当事者お互いが合意して和解した内容の契約は、民法上の和解契約となります。
A.費用は前払いで一括でお支払いいただいています。